手の内の冴えを出す練習方法
手の内の冴えを出す練習方法をご存じですか?
剣道の手の内とは、竹刀を持った時の力の入れ具合や手の作用などの使い方を総称したものです。
そして、剣道の試合では、正しく打突していても一本にならないことがありますが、その原因としては、打突に冴えがないということがあげられます。
ですが言いかえれば手の内の冴えの感覚を身につけて、冴えが出せるようになれば1本になることが多くなり、試合で勝てるようになるということでもあります。
また、近間では打突を小さくコンパクトに竹刀を振る必要がありますが、手の内の使い方を覚えて、打突に冴えが出せるようになれば、小さくコンパクトに竹刀を振っても1本になりやすくなりますね。
実際、試合では小さく面を打つ機会が多くなります。このときに肩やひじを使わないで面を打つと打突が弱くなります。そのため、肩を使って上腕を上げるようにし、肩、肘、手首を利用して、竹刀の先端までしなるように打突するようにします。
打突する瞬間は、手の内を心持締めて冴えが出るようにしますが、特に左手の手首のスナップを利かせて斬るようなイメージで行うと、手の内が締まり打突力も増します。
とは言え、手の内の冴えと言葉でいっても、なかなか理解しにくいものです。そこで手の内の使い方をマスターして、冴えを出す練習方法をご紹介しましょう。
既にご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、一番手軽な練習方法としては、タオルを濡らして絞って、壁を叩くことです。
この時にパチンと音がするように叩きます。
何故、このタオルを使った練習をやるのかというと、力の入れ方と抜き方が分かるようになるからです。
これが上手く出来るようになれば、手の内の感覚も身についてくるでしょう。
更に、面を小さく速く連続して打つ練習も効果的です。
練習をする時には、足捌きを使わないで、竹刀だけで乾いた音が連続して出るように練習すると良いです。良い音が出るようになれば、手の内の使い方が上手くなってきている証拠で、打突に冴えも出てきていると言えます。
ただし、この練習を行っても、竹刀を正しく握って行わないと手の内も使えず、冴えも出ません。親指と人差し指に力が入っていると、手首や肘の自由が利かなくなりますし、右手に力が入りすぎていると打ちがかたくなってスムーズに打突できないので注意してください。