終盤の試合の進め方(どちらも一本取っていない場合)
剣道の個人戦でどちらも一本取ることができずに、終盤にさしかかり残り時間が僅かになるケースもありますね。こうした場合は、無理な技を使わずに相手を動かして考えさせるようにした方が良いです。
個人戦なら団体戦と違って、引き分けはないので決着がつかない場合は延長となるので、焦りは禁物で無理に攻めるといったことはしないでおきましょう。
かえって残り時間が少ないからと焦って不十分な体勢から打ちに行ってしまうと、動きが雑になったり大きな動きになることで相手に隙を見せてしまい、結果、終了間際に一本とられかねません。
したがって、むしろ時間をかけて一本を取りに行くぐらいの気持ちがちょうど良いんですね。
ですので、あらためて左右、上下、裏表を攻めなおして、相手の反応を見て、相手の弱点を探すことが大切です。
いずれにしても、終盤までさしかかり、お互いに一本取れずに試合が進むと、相手の得意技や癖などもある程度分かってくると思います。
そこで、相手から一本をとる為の一つの考え方として、相手の得意技が分かってきたなら、その裏を返すというのもありですね。
つまり、得意技の裏は相手の弱点にもなりうるということです。
例えば、相手が面を得意としているようなら、面を打とうとしてくれば胴が空きますし、逆に胴を打ってくるようなら面が空くというように、相手の得意技は裏を返すと弱点にもなるんです。
その上で、時間が残りわずかだからといって、延長を意識して攻めるのをやめたりせずに、相手に試合を考えるような時間を与えないように攻め続け、圧迫感を与えることが大切です。
当然攻め負けている方は、何とか延長線に持ち込んで、悪い流れを断ち切りたいという心理状態になる筈です。
この心理状態は、相手が終盤に一本先取している心理状態に近いと言えるので、相手の心理状態を利用した攻め方と技を使って、逃げ切ろうとするところを攻めていくのも効果的と言えるでしょう。