残身の稽古法
剣道で残身は、一本の必要条件にも挙げられる要素にもなる基本動作です。
残身とは、打突後も自分の体と気持ちを相手に向けて油断しないようにすること。
それには、いつでも相手への気構え、身構えを素早く示すようにすることを日頃の練習から習慣にしておくことが大切です。
剣道では刃筋正しく相手の打突部位を捉え、残身を示してはじめて一本になりますから、逆に言えば正確な打突をしても、残身をとらなければ一本にならないということです。
そんな残身のポイントは、何時も相手を見ながら移動して、相手から素早く離れるようにすることに他なりません。
例えば体を回転させるような場合でも、背中を相手に向けずに、敵がいる側に体を向けて回転するようにします。
当然ですが、相手から目を離してしまうと敵の動きにすぐに応じることが出来ませんし、逆に攻められやすくなってしまいます。
その為、残身の稽古をする狙いは、打突後も相手に反撃を許さない気構えと身構え養うために行います。
やり方は、打突後に相手の横を素早く抜け、敵から十分な間合いをとれる位置まで離れたところで、相手のいる側に体を向けながら振り返り素早く中段の構えで正対します。
そして、わずかに間合いを詰めて気構えを見せる。あるいは相手を攻めるようにします。
ですので、実際の練習では、一足一刀の間から踏み込んで面を打ち、相手の横を抜け、相手と離れたところで方向を変える足さばき(右足を軸にして小さく体を180度回転させる)を使い、素早く向き合い構え、すかさず前に一歩出て攻めるようにします。
剣道の上達の近道は、正しい基本を繰り返すことなので、打突後は残身を示すことが習慣になるように稽古をすれば、おのずと気構や身構えも養われてくるでしょう。